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「レフカダ‐小泉八雲‐新宿」交流

日本ギリシャ協会からの依頼で、同協会会報誌 Japan-Greece Society第123号(2009年11月発行)に柳田富美子が寄稿した「レフカダ‐小泉八雲‐新宿」交流の記事を掲載します。


ギリシャ西部、イオニア海に浮かぶレフカダ島。日本では、ギリシャというとエーゲ海といったイメージが大きいかもしれないが、本土をはさんでもう一方の海であるイオニア海は緑豊かな明るい雰囲気があって、エーゲ海とはまた少し異なる趣きと魅力をもっている。イオニア諸島の1つであるレフカダ島は、アテネからバスで5時間半ほどのところにあり、ギリシャ本土のすぐそばに位置しているため、運河にかかる橋を通って陸路で島に入ることができる。船に乗ることなく行ける島としても人気がある。島内には美しいビーチがいくつもあり、夏場はヨーロッパをはじめ世界各地からのリゾート客で賑わう。島に渡るとすぐ広場になっていて、その一角にこの島出身の著名な詩人や文人たちの胸像が立つ詩人公園がある。レフカダ島は著名な文人を何人も輩出しており、この島の人々は伝統的に文化や芸術への理解・関心が高いことで知られている。毎年8月にはレフカダ市がレフカダ国際フェスティバルを開催しているが、これは前期の「文芸フェスティバル」と後期の「国際民俗舞踊フェスティバル」で構成されていて、世界中から多くの芸術家や若者たちが集う。そして、島の人々はフェスティバルを通してさまざまな芸術に触れるとともに、民俗舞踊を披露するために世界中から集まってくる若者たちをボランティアで面倒みながら交流している。
さて、小泉八雲の名で知られる文人ラフカディオ・ハーンが生まれたのもこのレフカダ島で、レフカダ市内の路地「小泉八雲通り」に面して今も生家が残っている。(※)

レフカダ市入口付近

去る2009年8月7日、レフカダ市文化センターにおいて、『レフカダ市・新宿区友好都市提携20周年ならびに日本・ギリシャ修好110周年を祝う』記念セレモニーが開催された。日本側からは東京都新宿区代表、在ギリシャ日本大使館代表、小泉八雲の曾孫の方などが招かれてスピーチをし、記念誌も発行されるなど、両自治体間そして二国間のこれまでの地道な交流の積み重ねの節目をともに祝ったのである。

小泉八雲生誕の地であるレフカダ市と、八雲がその波乱万丈の生涯の晩年を過ごし終焉の地となった新宿区は、1989年に友好都市提携を締結した。異文化に深い関心を持ち続け、執筆活動を通して日本文化を世界に紹介をすることで多大な貢献をした八雲。その八雲を縁(えにし)として交流が始まった。以来、毎年児童生徒絵画作品交流が続いている。幼稚園・保育園児から中学生までの子どもたちの絵を50作品ずつ互いに相手側に送り、受け取った作品はそれぞれ地元の子どもたちの作品とともに展示するという形で市民・区民に観賞の機会も提供してきたのである。作品を出展した子どもたちには『作品を送ってくれてありがとう』という意の感謝状が届けられる。レフカダ市では学校や児童生徒から、出展したいという希望が年々増え続けており選択に困るほどだという。そして、毎年一回開催される子どもたちの絵画作品展示会には多くの市民が訪れているそうだ。子どもたちが自分の描いた絵を遠い異国の人々に見てもらいたいと願いながら筆をとるのは、世界というものを意識する第一歩といえるかもしれない。異文化に好奇心を抱く心が育って、視野の広い豊かな感性と寛容な精神が養われるならばすばらしいことである。
八雲の生家の外壁にあるプレート

小泉八雲生誕の地であるレフカダ市と、八雲がその波乱万丈の生涯の晩年を過ごし終焉の地となった新宿区は、1989年に友好都市提携を締結した。異文化に深い関心を持ち続け、執筆活動を通して日本文化を世界に紹介をすることで多大な貢献をした八雲。その八雲を縁(えにし)として交流が始まった。以来、毎年児童生徒絵画作品交流が続いている。幼稚園・保育園児から中学生までの子どもたちの絵を50作品ずつ互いに相手側に送り、受け取った作品はそれぞれ地元の子どもたちの作品とともに展示するという形で市民・区民に観賞の機会も提供してきたのである。作品を出展した子どもたちには『作品を送ってくれてありがとう』という意の感謝状が届けられる。レフカダ市では学校や児童生徒から、出展したいという希望が年々増え続けており選択に困るほどだという。そして、毎年一回開催される子どもたちの絵画作品展示会には多くの市民が訪れているそうだ。子どもたちが自分の描いた絵を遠い異国の人々に見てもらいたいと願いながら筆をとるのは、世界というものを意識する第一歩といえるかもしれない。異文化に好奇心を抱く心が育って、視野の広い豊かな感性と寛容な精神が養われるならばすばらしいことである。
今回の『レフカダ市・新宿区友好都市提携20周年ならびに日本・ギリシャ修好110周年を祝う』記念セレモニーでは、レフカダ市長や関係者も興味深いスピーチをした。友好都市提携調印時のレフカダ市長であったスピロス・マルゲリス氏は、この提携のおかげで新宿区との接点ができ、日本訪問や日本人とのやり取りの中で日本人の考え方や仕事のやり方など、いかに多くのことを自らが学んだかを熱く語った。異なる文化を持つ人々とともに1つのことに取り組むことで、自らの文化を再認識したり、新たな発想や方法で仕事にあたるようになったりと、友好都市提携は市民にとっても自らにとっても有意義であったそうだ。ちなみに、マルゲリス元市長はその後、レフカダ県知事を務め、さらに今年10月初めにあったギリシャの国会議員選挙に出馬して当選し、現在は国会議員である。
この20年の間に世の中の状況は大きく様変わりしたが、物流や情報交換もさることながら、人が実際に足を運んであるいは実際に手で描いて、相手に思いを伝えたり交流することの意義をあらためて感じさせらる出来事であった。


八雲の生家前の路地
※現在は個人の所有になっているので、レフカダ市はこの生家を持主から買い取って「小泉八雲記念館」にしたいと、各方面に経済的支援を働きかけている。




 日本ギリシャ協会会報誌 Japan-Greece Society第123号より転載
 ※再転載はお断りします。




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